※この記事は2020年7月1日に更新されました。

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人間には産まれ持って備わっているそれぞれの遺伝子由来の特性があります。

これらの特性を知り、うまくコントロールすることによって、より豊かで、思い通りの人生を描いていくことができるかもしれません。

それぞれ固有の特性については、すごく複雑な統計と理論がありますので、今回は割愛とさせていただき、本日は、人間が共通して持っている特性についてご紹介したいと思います。

【参考書籍】
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アイオワゲーム

さて、ゲームをしてみましょう。

想像してください。

あなたは今、お金に関するゲームをしています。

目の前のテーブルには「A組・B組・C組・D組」の4組のカードが裏返しに積まれています。

あなたは好きな組を選択し、そこから順番にカードをめくっていきます。

カードを取るたびに現金が手に入ります。

しかし、ときどき、罰金を支払わなければならないカードが登場します。

罰金は報酬金額よりも多いケースがあることからカードによっては手に入れた現金はもちろんのこと、あなたが元々持っているお金も失う可能性があります。

ゲームを続けていると、あなたはある法則に気がつきます。

左の2組(A組とB組とする)では、カードを引くたびにもらう報酬は100ドルだが、別のC組D組のカードは引くたびにもらう報酬は50ドルである。

一見すると当然A,B組が有利で有益であるように見えますよね。

しかし、A組みの場合は平均して10枚に一枚程度の割合で、罰金カードが登場します。

その額は1250ドル。

B組ではそれより少し低くて500ドルだが、平均して4枚に一枚程度の割合で罰金カードに当たってしまう。

C組は10枚に一枚程度の割合で、250ドルの罰金カードが当たる。

D組は4枚に一枚程度の割合で、100ドルの罰金カードに当たる。

どの組からカードを引くべきだろうか??

答えは明白ですよね。

・A組の場合
→1枚引くと100ドルの報酬なので、10枚引けば1000ドルの報酬になります。
しかし、平均して一回でる1250ドルの罰金カードを引くことになるため、10枚カードを引いた場合250ドルの損をすることになる。

・B組の場合
→10枚引いたときは同じく1000ドルの報酬である。
しかし4枚ごとに500ドルの罰金カードに当たるため、10枚引くと、500ドル×2.5で1250ドルの罰金、したがってA組同様250ドルの損失となる。

・C組の場合
→10回引いても報酬は500ドル。
しかし払う罰金は250ドルなので、250ドルの儲けが予想できる。

・D組の場合
→同様に100ドルかける2.5の罰金で250ドルの儲けが予想できる。

アイオワギャンブリングと呼ばれるこの実験は、発明した研究者たちがそのときそこで働いていたという理由で命名されました。

ボランティアの被験者たちは、上記のカラクリを手探りで見つけなければならないため、最初はA,Bの報酬の高さに目がいきがちになります。

しかし、A,Bを試して見て、数回罰金カードにあたった段階でC,Dをしばらく引くようになります。

100回引いた場合A,Bを選択するう場合とC,Dを選択する場合とでは相当報酬に差がでることでしょう。

このゲームのポイントは、より高い報酬を得るためには、目先の利益である100ドルという数字の誘惑に打ち勝ち、長期的に有利な選択をしなければいけないということです。

教訓

人生においてのあらゆる選択において、長期的なマクロ視点で見ると、有益な選択が見えるのですが、短期的なミクロ視点でしか物事を見れないと、長期的に損をしてしまうという 教訓が含まれています。

このゲームの本来の開発目的は、脳の特定の部位の損傷で人間の思考回路(危険回避や損失回避)がどのように変化するのか?についての調査でした。

また、特定の遺伝子因子を持つ特性のある人はA,Bを引き続けてしまう。。。ということもわかっています。

今回のアイオワゲームでは、10回程度で見えてくるものですが、人生で行わなければならない選択肢のなかには、今回のアイオワゲームよりさらにマクロな視点で見ないと見えてこない有益性もあることでしょう。

1度か2度失敗(罰金カード)した場合もA,Bを引き続けてしまう傾向にある方は、一度立ち止まって考えてみると、別の選択肢が圧倒的に有利だということが見えてくるかもしれません。

失敗はしてもいい、しかし、検証せずに失敗を続けるのは意味のないことだと言えます。

失敗から特性を学び、次に生かしましょう。

次にもう一つ、人間という生き物がもつ面白い特性についてのゲームがありますので紹介したいと思います。

他者配慮ゲーム

想像してください。

あなたは心理学者の実験室の中。

あなたはガラス製の透明で、狭い小部屋に座っています。

目の前の狭い廊下の向かい側には、あなたの知っている人が座っています。

どうやらあなたと同じこの心理実験に参加しているようです。

映画「SAW」シリーズのような感じでしょうか(笑)

あなたの前にはレバーが2つあります。

片方のレバーを引くと、目の前にトレイが運ばれてきます。

今はそのトレイは、ガラスの壁の隙間の向こうにあり、あなたからは手が届きません。

トレイの上には冷たい水と美味しそうな食事が乗っています。

もう片方のレバーを引いても、同じようにあなたのもとにはトレイが運ばれてくるのですが、この場合は、あなただけではなくて、反対側に座っている人物にも同じトレイが運ばれます。

ここで、一つだけレバーを動かせるとしたらあなたはどちらのレバーを引きますか?

どちらのレバーを引いても、あなたの報酬は変わりません。

しかし、一方のレバーでは、あなたは不利益を被ることなしに、同じ境遇にいる人を助けてあげられるのです。

もちろんこちらのレバーを引くのは当たりまえだ!

と思いますよね。

しかし、チンパンジーに同様の実験をすると、同じ生活環境で生活している仲間のチンパンジー同士で同じ実験をしても、実行結果に関わらず相手にトレイを送るレバーを選択しない傾向にあるのだそうです。
※選択したとしてもランダムでの結果。

この実験は一見不正確且つ目的も不明瞭に見えますが、次の独裁者ゲームの結果と合わせて人間の他者配慮選好特性と繋がります。

独裁者ゲーム

これはめちゃめちゃ面白いです。

プレーヤーAは10ドルを渡されます。

プレーヤーAは自分ともう一人のプレーヤーB(見知らぬ相手)との間で好きなように分けるように言われます。
→一回限りのゲームであり、AとBが逆転することはないという前提説明のもと。

二人のプレーヤーは割り当てられた金額を自分のものにし、実験終了後持ち帰ることができます。

利益追求優先で考えると、Aは当然できるだけ少なく分けることでしょう。

例えば自分は9ドルでBに1ドルのように。

ところが、おびただしい数の実験結果のすべてが、AはBに半額か、半額に近い金額を渡すという結果になっています。

これを経済学者は他者配慮選好と呼びます。

実のところ、なぜ人間がこのように他者の利益を考慮、配慮するのか?というのは未だ不明なのだそうです。

先述のレバーとトレイの実験も同様、人間だけが、他者に対しての利益を考慮、配慮するのです。

他の動物、例えばチンパンジーなどは、このような配慮はありません。

独裁者ゲーム、冷静に考えたらかなり不思議じゃないですか?

この他者配慮選好は、人間の遺伝子レベルで特性として組み込まれているのではないか?と言われています。

このような実験(ゲーム)から見えてくること。

近年のプロジェクト立ち上げの主流となっているのが、クラウドファンディング。

この他者配慮選好をイメージすると、クラウドファンディングが成立する理由が見えてくるかもしれません。

また、富の再分配も然り。

世界の大富豪たちが、「私たちはなぜか税金が優遇されている。税制度を見直すべきだ」と発言し始めています。

さらに、大富豪たちはこぞって寄付をしたがります。

寄付に関してはもちろん税金対策など様々な側面があるわけですが、他者配慮選好が起動していると考える方が自然なのかもしれません。

持ち過ぎた人はなぜか、手放す方法を考えているようです。。。それが他者配慮選好の遺伝子特性なのかもしれません。

人間にしか備わっていない助け合いと分け合い、相手の利益を配慮する遺伝子を理解し、最大限人生に生かしてみてはいかがでしょうか。

みなさんの参考になれば幸いです。