ウィリアム・ギャン (William Gann)

※この記事は2020年9月29日に更新されました。

William Delbert Gann

1878年6月6日 – 1955年6月18日 (77歳没)

アメリカ合衆国の投資家。

完全なアナログ時代に米英の博物館で資料を徹底調査し、独自の分析手法を数多く編み出しました。

価格の変動周期の規則性を発見し生涯の勝率は8割とも言われています。

1929年の世界恐慌も一年以上前から予測していたと言われており、今も崇拝者の多いカリスマ投資家です。

年表

1878年6月6日

アメリカ合衆国テキサス州アンジェリーナ郡ラフキンにて、代々軍人の綿農家の子として生まれる。

綿花栽培は豊作と不作を繰り返していたので、決して生活は楽ではありませんでした。

ギャンの母はメソジストで、ギャンを牧師にしようとするくらい熱心な信者でした。

ギャンは幼いころから聖書を丸暗記させられたほどです。

生家が貧乏だったので大学進学を諦め、親友の家が経営する近くの綿花工場で働きました。

1902年

働き出した工場で綿花取引のノウハウを学び、24歳頃から少ない投資で相場をやるようになります。

但し、最初期は大損も経験していたと言います。

その大損の経験から一心発起して値動きの研究を始めました。

ポイント

聖書や、古代ギリシア以来綿々と続く数秘術・神秘学・占星術にも研究の目を向けていました。

memo

そうした研究の中でスコットランド式第33期フリーメイソンにも加入しています。

元々テキサスには、スペインの植民地として開拓されていった当初からイエズス会やクエーカー教徒や、最近でも1993年2月28日にFBIと銃撃戦の挙句集団自殺した「ブランチ・ダビディアン」のような狂信的な教団が多くありました。0

9ヶ月間に渡りニューヨークのアスター図書館、ロンドンの大英博物館の資料を過去700年間の物価と1820年以降の証券取引の記録を丹念に調べ上げました。

特にユニオン・パシフィック鉄道株を始めとするエドワード・ヘンリー・ハリマンの株価操作術を学んだと言われています。

この徹底研究によってギャンは値動きの特性を把握します。

そこには季節性・周期性・幅があることと、戻り値にも1/3や1/4付近といった相場が存在することなどを発見しました。

1908年

ギャンはニューヨーク:ウォール街に出て成功。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』の前身『The Ticker and Investment Digest』誌に掲載された記事には、当時30歳のギャンが既に適確無比なプライスと時期を予想して収益を上げていた実態が伝えられており、「科学的手法が斬新だ」と評されています。

ポイント

ギャンは最終的には生涯に5000万ドル(現在価値に換算すると50億ドル)儲けたと言われています。

1914年

第一次世界大戦や株価暴落を予想して的中させます。

さらに驚きなのが、1928年末に「来年の見通し」として世界恐慌の時期と規模を当てています。

ポイント

ギャンは9月3日だとしたが、「暗黒の木曜日」は10月24日でした。

7週間+2日の誤差なので的中と言っていい範囲でしょう。

1955年6月14日

死去。

満77歳没。

ギャンの価値ある28のルール

1、一度のトレードで資金の1/10以上損失が出るようなリスクは取らない。

2、常にストップロス注文を使う。(毎回置く)

3、取引を重複させない。(もし2つ以上の取引をオープンしていたら、最初の取引のルールに違反すべきではない。)

4、利益を損失にしない。(含み益が出たら、ストップロス注文等でそれが含み損に陥らない状態にする。)

5、トレンドが分からない時は取引しない。トレンドに逆らった取引はしない。

6、迷ったら出る。迷ったら入らない。

7、活発な市場でのみ取引する。

8、違う市場間でリスクを均等に分散する。

9、指値注文はせず、成り行き注文で取引する。

10、正当な理由がないのに手仕舞わない。

11、取引で儲けた余剰利益は別の口座に置く。

12、利益の薄い(scalp)取引はしない。

13、損失を平均化しない。(ナンピンはしない)

14、忍耐無く市場から抜け出したり、待つのが不安だからといって市場に入ったりしない。

15、小さな利益と大きな損失を避ける。

16、ストップロス注文を置いたらキャンセルしない。

17、市場に頻繁に出入りすることは避ける。

18、相場の両サイド(ロング、ショート)からお金を稼ぐことに意欲的であること。

19、価格が低いとか高いからと言って買ったり売ったりしない。(値頃感で取引しない)

20、間違ったタイミングでのピラミッディングに注意する。ピラミッディングはレジスタンスを超えるか、サポートゾーンが壊された時のみ成されるべき。

21、ピラミッディングは適切なタイミングでは非常に有益な場合がある。買いの時に上昇トレンドが強く、売りの時に明確な下落トレンドがある商品を選択する。

22、負けポジションをヘッジしない。ある商品をロングしていてそれが下がり始めたら、ヘッジするために他の商品をショートしてはいけない。市場から出る。損を確定し、次の機会を待つ。

23、正当な理由が無い限り、ポジションを変えない。取引をする時は一定のルールに従って、正当な理由で取引をする。その後はトレンドが変わる明確な兆候が無い限り、出ない。

24、長い期間での取引で儲けた時は、トレードを避ける。規律ある計画的な取引プログラムを維持する必要がある。

25、天井や底を推測しようとしない。本当に天井か底かは市場が見せてくれる。

26、盲目な人のアドバイスに従わない。

27、最初の損失後は取引を減らす。決して増やさない。

28、間違って入って間違って出てはいけないし、正しく入って間違って出てはいけない。これは二重の間違いである。

ギャンの宗教に対する考え方

子供の頃から聖書を丸暗記しているほどのギャンですが、宗教に対して以下のように考えを表明しています。

正しく理解していれば、聖書は単純です。
それは神定法、その使用と乱用を教えています。
法が神定法であろうと自然法であろうと、法に従わない場合は罰金を支払わなければならず、法に従うか従う場合は確実に報酬が得られることが明らかにされています。
聖書は死後の報酬を教えていませんが、あなたがこの地球にいる間、今は報酬または刈り取りを約束しています。
イエスは言われた、「あなたがたがまくように、あなたがたも刈り取るであろう」。
彼は「死後」とは言わなかったが、今ここにいるあまりにも多くの人が、私たちがこの地上で犠牲の生活を送り、死後まで報酬を受け取るのを待つべきだと説教しました。
これは人々が望んでいることではありません。
彼らは実用的な何かを望んでいます。
彼らはこの地球上で報酬を受け取りたいと思っています。
彼らが適切な努力を払えば、彼らはこの地球上で報酬を受け取ることを知りたがっています。
すべての自然法則は、私たちがこの地球上で報酬を得ていることを教え、証明しています。
ヨブは律法に従い、まだ地上にいる間に持っていたものの2倍の量を得ました。
聖書には、これらの法律が今日は機能しないと言っているものは何もありません。
私は聖書によってそれらが機能することを証明します。

著書:The Magic Word(1950)
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