【タルムード】きつねとブドウ園の話

※この記事は2020年10月6日に更新されました。

タルムード考察

タルムードの話は人の数だけ答えがあります。

正解は一つではありません。

ユダヤ式教育では、このお話を元に親子で議論するそうです。

みなさんも是非自分なりの解釈や考察を持って、自分だけのオリジナルタルムードとして編纂してみてください。

元のお話はラビ・M・トケイヤー氏の書籍から引用させていただいております。

裸で生まれ、裸で死ぬ

あるとき、一匹のキツネがぶどう園のそばに立って、何とかその中に入り込もうとしていました。

しかし、防犯のため柵があり、もぐりこむことができずにいました。

そこでキツネは3日間の断食をして体を細くし、やっとの思いで柵の間をくぐり抜けることに成功します。

ぶどう園に入り、キツネは思う存分ぶどうを食べます。

大満足のキツネでしたが、満腹のままさて、ぶどう園から抜き出そうとする際、満腹のお腹が引っ掛かり同じ柵を抜けることができませんでした。

そこでやむを得ず再度3日断食し体を細くしてからやっと抜け出すことができました。

その時のキツネ曰く「結局、腹具合は入ったときと出る時と同じだったな。」

解釈&議論

さて、みなさんはこのお話、どのように解釈しますか?!

書籍では・・・

「人生もそれと同じである。裸で生まれて、死ぬ時もまた同じ裸で死んでいかなければならない。人は死んで家族と富と善行の三つをこの世に残す。しかし、善行以外はあまり大したことではない。」

ラビ・M・トケイヤー

もちろんラビ・M・トケイヤー氏の締めくくりは、私たちに考える余地を残すための書き方であると考えます。

一見すると、ぶどう園=この世。

生まれてくるときは空っぽで生まれてくる。

この世でいくらぶどう(富≒甘いモノ)を食べたところで、あの世へは持っていけない。

というよくありがちな教訓に見えます。

しかし、こういった「生まれる」や「死ぬ」などの死生観から少し離れた視点で見てみたいと思います。

この世の中でのぶどう園と、ぶどう園の外で解釈してみましょう。

満腹まで食べるな

一番最初に筆者が感じたメッセージは満腹まで食べるな!

ということでした。

3日断食し体は充分に細くなり、柵を超えてぶどう園に入り、ぶどうをほんの少し味わい、出てこれば、キツネはその辺に落ちている熟れすぎた果物や、割れた木の実などとは比べてものにならないプロが作った美味しいぶどうを味わい出てくることができたわけです。

欲を出し、断食明けということも相まって手あたり次第満腹大満足になるまでぶどうを食べるからこそ、出られなくなったと考えるのも一つなのではないでしょうか?

投資の世界でも・・・

満を持してバブル相場、ブル相場に突入した人々が売り抜けられないのもまさにキツネと同じだと言えないでしょうか。

いくらでも食べられるからと手あたり次第食べつくす。。。

のはいいのですが、いつの間にか出口戦略を完全に見失ってしまいます。

投資の世界ではここからさらに、出口戦略を見失って右往左往している間(出るための3日間の断食)にぶどう園の管理人に見つかって狩られてしまいます。

もしくはほとんどの人が手あたり次第ぶどうを食べつくしている真っ只中、ぶどうを食べることに夢中の間に管理人に見つかり狩られてしまいます。

銃声が鳴った頃に気付いてももう遅いのです。

一個だけ食べるから宝石のような価値がある

マリオのゲームで言うところのチートでキノコが大量にあるコースだと考えてください。

もう二個目からは全く意味ないですし、嬉しくもなんでもないですよね。

同じく、ぶどう園のぶどうも、断食し、どうしても最高級のぶどうを食べたいキツネがたべるぶどうは一個だからこそ宝石のように輝く存在になります。

あなたの大好物はなんですか?

その大好物、満腹まで食べたとして幸せですか?

もしイクラが大好物なおじさんがいたとしたらイクラで満腹になるころにはもれなく痛風コースです。

アウシュビッツにて・・・

ユダヤ人迫害の歴史の中でも、20世紀に起きた大規模な迫害と言えばナチスドイツによる大虐殺が思い浮かぶかと思います。

終戦までに多くのユダヤ人が犠牲になった大事件でしたが、生き残った人々も解放された際満足な食事も与えられておらず、ほとんどが餓死寸前だったと言われています。

ソ連軍に解放された際、ソ連軍から出された食事で「ドカ食い」したユダヤ人はそのままショック死したと一部で伝えられています。

タルムードの教えをしっかりと体得していた敬虔なユダヤ人は一口の粥、や一口のパンで辞めていたのかもしれません。

ポイント

3日以上の断食を行う場合は、導入食、さらに断食明けは回復食が非常に大切だと言われています。

特に断食明けの回復期にドカ食いしてしまうと、身体に重大なダメージがあると言われています。

3日以上断食する場合は必ず専門知識のある指導者の監督下で行いましょう。

筆者も最大で1か月を1回、3日の断食を過去2回行っています。

3日の断食明けのお粥のなんと美味しいことか。。。

というのを思い出しました。

逆に3日の断食の後、キツネのようにお腹が膨れるまで満腹に食べるのは不可能に近いと思います。

まとめ

このようにタルムードのお話では一つのエピソードについて、多角的多方面から様々なアプローチで解釈することができます。

もちろん、柵から侵入し、少しだけお腹に入れて、あとのぶどうは柵から出して巣に持ち帰るという答えを出す方もいるかもしれません。

それも答えの一つだと思います。

ただし、そういった派手な動きは管理人の銃声を響かせることに繋がるでしょう。

この辺りのリスクをどうコントロールしていくかがポイントだと言えます。

最後にこの話で面白いのが、文中ではぶどう園に入ってぶどうを盗るということに関しての道徳は否定されていないという点です。

しかし、果たして本当に否定されていないのでしょうか?

ここで、登場したキャラクターが少年や、少女などではなく、キツネであるという点も考察に値するかと思います。

ポイント

キツネはヘブライ語で שׁוּעָל (シュアル)といいます。

キツネはユダヤ教では「カギヅメのある動物」、明確ではありませんが、付加的に不浄な生き物だと区別されています。

ユダヤの辞典でも「この非常に狡猾な動物は・・・」と記されています。

狡猾 (こうかつ)

悪賢いこと。

つまり、ぶどう園のぶどうを盗む行為を悪だと前提とする一方で、「賢さや学びをそこから導き出せ」というわけです。

「悪賢さ」から、「悪」を取れば賢さとなります。

悪と思われることを思考停止で完全排除する日本式の教育では学びづらいエピソードではあります。

日本の教育現場では、「みなさんはキツネのようにぶどう園に入ってぶどうを盗ってはいけません」で終わってしまうかもしれませんね。

みなさんもご家庭でここから賢さを見出してみてはいかがでしょうか。

人の数だけ答えのあるタルムードの考察でした。

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