10万円以下で買える〜最高にクールな4つのフィルムカメラ

この記事についてフィルムカメラ選びは選択肢が多すぎて難しいですよね。
また、メンテナンスの面で見ても、ある程度自動化された時代のものを使うのか?それとも調整や修理は半永久的にできるものを選ぶのか?それぞれ迷いがあるかと思います。
本日は半永久的に使えるカメラ3つと、オートフォーカス機能が付いたモデルですがさすがに素晴らしい質感なので紹介したい1つと合計4つのフィルムカメラをご紹介。
中古で探せばどれもレンズを含めて10万円以内で揃うものばかりをピックアップしました。

Pentax spⅡ 35mm

フィルムカメラを象徴するようなデザインと、機能性、そして日本の技術の最高峰を詰め込んだ至高の逸品です。

業者で購入するとかなり高額になってしまうため、商品リンクが用意できなかったのですが、是非オークションサイトなどで検索してみてください。

icon image

かなり状態の良いものが数千円~1万円以内で手に入ると思います。

1974年発売、ペンタックスでは最後のM42マウントになります。

シャッター速度も1000分の1まで使えるのでかなり多彩な表現が可能になっています。

ポイントM42マウントなので、多様なレンズ選びが可能でレンズ代も節約することができます。
露出計にボタン電池が必要ではありますが、セコニックのバッテリーフリーモデルなどを駆使すれば完全電気フリーで半永久駆動!

Pentax spⅡ 作例

少ししかないですが、リバーサルフィルムでの作例です。

フィルムはポジフィルム(リバーサルフィルム)がおすすめ。

値段は少し上がりますが、すべてポジフィルムで撮影しておくと、このようにライトボックスを使ってチェックできるので、必要な分だけ印刷できます。

そのため、長くフィルムカメラを続けるつもりがあれば、ポジフィルムでアーカイブしていった方が結果的に安くつきますね。

ROLLEIFLEX ブローニー 6×6

上記で紹介したPentax SPⅡも一緒に写っていますが、ローライフレックスも中判フィルム入門機としておすすめです。

ブローニーフィルムといえば、他にもたくさんありますが、ローライフレックスはなんといっても相手に威圧感を与えずに撮影ができるという点では他にはない特別な存在だと思います。

レンズを向けられるのが嫌な人でも、緊張することなく撮影できますし、例えば、動物の写真を撮る際でも基本的に犬や猫もレンズを向けると怖がります。

やはり、「狙われてる」感が本能的に働くせいでしょうか。

その点、ローライフレックスは相手と会話をしながら、自然な表情を狙うことができるのです。

たくさんのシリーズやモデルが発売されていますが、筆者が使っていたのが、ROLLEIFLEX ローライフレックス T Tessar テッサー 75mmF3.5。

内蔵されてるレンズの種類などで価格は違ってきます。

ポイントTessar テッサー 75mmF3.5のタイプだと、10万円以内で揃いますし、レンズは固定で交換できませんので、レンズ沼にはまってしまう恐れがなく、出費は打ち止めとなる点もポイントです。
icon image

レンズ交換はできないので、よく考えて購入しましょう。

ROLLEIFLEX 作例

ちなみにこんな写真が撮れます。

小さい子供を下からのアングルで撮るにはぴったり。
これくらいの子供は当然ROLLEIFLEXはカメラだと認識してくれず、スマホを向けると満面の笑みでポーズをとってくれるのですが、ROLLEIFLEXだと無視なんです。
確かに、もうよほどカメラ好きの家庭に生まれない限りROLLEIFLEXをカメラだと認識できない時代になってきていますよね。

ここまではKodak Tmaxで撮影しています。

KodakのTMAXはモノクロームの撮影には最高なんです。

ポイント購入の際は使用期限の確認などしっかりしつつ、保管状態も信頼できる場所かチェックして購入しましょう。
また、TMAXは現像代金もプラスされることもしばしばあり、近年では現像を受け付けていない場所も多いです。
お国が違ってアルゼンチンの例だとそもそもTMAXを現像できる場所は見つかりませんでした。

ポジフィルムで撮影するとこんな感じに。

動物だってこの通り、笑顔で近づけばこちらを見ている隙にパシャリ。

服部まさ子。

筆者の育ての親。

使用したポジフィルムはこちら

ポジフィルムの場合、自分で楽しむ分には印刷代が浮きますので、便利です。(ネガフィルムもスキャンと編集は可能です。)
ちなみにポジフィルムのスキャンはフォクトレンダーのマクロレンズを使っています。

【作例】Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

Canon F1 35mm

機械式カメラの中ではプロ仕様の最高峰。

昭和46年1971年3月発売。

5年の歳月と数十台分の開発費に匹敵する開発費と労力を注ぎ込み。

キヤノンの技術の総力を結集して誕生した最高級の35mmシステム一眼レフカメラです。

当時としては画期的な連続撮影10万回に耐える強靭な耐久性能。

+60°Cから-30°C、湿度90%で耐える耐環境性能。

これらの環境耐性などで、プロカメラマンを始めとする多くの写真愛好家に受け入れられました。

シャッター速度も当時としては驚きの2000分の1まで設定されています。

ボディは金属製で重さはありますが、もうめちゃくちゃ高級感満載で、コレクションとしても所有欲を存分に満たしてくれる存在です。

ポイント露出計を外部で使用すれば一切電気の必要ない完全機械式になりますので、金属製で且つ、仕組みも大変シンプルなため、一生モノどころか、この先何世代にも渡って使い続ける可能性を秘めた最高のアイテムです。

電池室が綺麗なボディを手に入れた方はもちろん内蔵の露出計を使うことができますが、現在では手に入りにくいボタン電池のため、アダプターを設置して露出計を動かします。

アダプターを使いたくない場合は、 V625U という電池を使いますが、今ではかなり入手困難です。

ドイツの通販などで購入するか、海外のAmazonで探すかしか方法は残されていませんので、アダプターでOKだと思います。

フィルムカメラの練習にも最高ですし、作品創りとしても最高峰のカメラ。

現代のデジタルカメラのように電気を使用しないので、じっくりとテントでも貼って何日間でも、何か月間でも人間が生きてさえいれば動くカメラです。

Canon F1 作例

タンゴバンド、バリオシノの関西ツアーの時の写真です。

バリオシノのアルバム『フェステハンド』はこちら。

icon image

お盆の時期友人たちとの飲み会で。
ノーライトだったのでシャッター速度は2秒ほど開けており、集合写真もみんな2秒我慢。

CONTAX 167MT 35mm

ここまで三種類紹介してきましたが、いずれも完全機械式カメラでした。

コンタックス167MT は電動フィルムカメラになります。

電動なので、撮影したあと、自動でフィルムを巻き上げてくれます。

この電動音が結構音マニアにはたまらない。。。

何がオススメかって、もうフィーリングとしか言えませんが、持った感触や、使用しているときのグルーブ感などは、使う人を魅了してくれます。

シャッター速度もこれまでの機械式とは違い、4000分の1もあります。

ポイントデザインがおしゃれ! →ポルシェデザイン。
撮影が楽しい。 →電動で巻き上げてくれるので、被写体の観察のみに集中することができる。

コンタックスファンというのは今でも根強いファンがいるので、167MTを首からぶら下げて観光していたりすると、あちこちで話題が生まれます。

筆者も167MTをぶら下げて沖縄観光していると、観光地で記念撮影の仕事で写真を撮っていたお姉さんに、「あっ、!コンタックスだ!いいな~」と話しかけられたり、知らないおじさんに「コンタックスか!ちょっと見せてよ」と話しかけられたりしました。

カメラマニア同士の話って尽きないもので、そのまましばらく立ち話。

良いカメラです。

CONTAX 167MT 作例

沖縄の公設市場にて。
中は真っ暗なので、手持ち撮影苦労しました。

撮影する楽しみを教えてくれる名機だと思います。

【フィルム作例】Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 AEG + CONTAX 167MT / Sony a7Ⅱ

まとめ~選び方など

気になるフィルムカメラは見つかりましたか?

超初心者でフィルムカメラが趣味として続くかわからない!という方は、中古でかなり格安で手に入るペンタックスのSPⅡを選びましょう。

ブローニーに比べるとフィルム代もしっかり抑えられます。

一生フィルムカメラを趣味にしたい!という方は、ローライフレックスはレンズ沼打ち止めのためいいかもしれません。

ただし撮影コストはかなり高額で、メンテナンスや維持費もそれなりにかかりますのでその辺りを覚悟の上で。

コレクターとしての趣味も併せ持つ方は、canon F1がいいかも!歴史に残る一台だと思います。

フィルム撮影をすると、デジタル写真の腕も一気にぐーーーーと上がります。

デジタル写真のように、isoの変更などもできないため、絞りとシャッター速度だけでいかに撮影するか?いかに表現するか?を強制的に考えさせられますので、デジタル処理に頼る癖もなくなります。

また、露出なども自分で計算して出していかなければいけません。

現代のデジタルカメラのように、撮影結果をモニターで確認!

というわけにはいかないので、失敗することもありますが、この失敗した!という経験こそがより一層写真への愛着や、カメラへの執念のようなものが湧き上がります。

お金をかけたフィルムを失敗すると、同じ過ちは二度と起こさないように、考えます。

この考えるという作業こそが写真撮影の醍醐味であり、楽しみ方であると筆者は考えています。

みなさんのフィルムライフが良いものになりますように。

プロフィール

こうたろう
こうたろう
音大を卒業後ピアニストとして活動。
日本で活動後北欧スウェーデンへ。
アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。
帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。
タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。
2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。