ベーシックインカム≒資本主義のダクトテープ?!

※この記事は2020年10月7日に更新されました。

ベーシックインカムに関連する記事、第二回目となります。

前回の記事はメリット・デメリットについてざっくりとまとめてみました。

興味のある方は是非こちらも読んでみてください。

【ベーシックインカム】メリット & デメリット まとめ

今回はそんなベーシックインカムについて、前回の記事でも少しだけ触れていますが、デメリットの部分にフォーカスして書いてみたいと思います。

メリットばかりじゃない?!

さて、意外とメリットばかりがビックアップされるベーシックインカムですが、デメリットの部分はあまりスポットライトがあたらない風潮にあるような気がするのは筆者だけでしょうか。

前回の記事でも引用させていただいた麻生さんの言葉。

(省略あり)社会保障制度っていうのは、これは、日本の場合ではかなり皆保険等々含めまして、あの~アメリカなんかに比べても冠たるもんだと思ってるんですけれども、病気や怪我とかで人生様々なリスクっていうのはいろいろあるんだと思いますけれども、所得、資産、うーん、所帯の助長ですかね~そういったようなものとか、難病、奇病等々、持って産まれた病気等々、特に配慮すべき持病があるかどうかといった、あのーそれぞれ各人が持っておられる個別な事情っていうのに対応できるというそれを踏まえた上で自助控除共助というのを適切に組み合わせて対応していくって言うのがこれは日本の基本的な考えでこれまでやってきたと思って、少なくともこれは今、アメリカあの~えらい非常事態っていってますけどあのアメリカで風邪ひいてちょっと病院いったらまず最低今300ドルくらいとられるかそれくらい取られるか、日本でいくらです?間違いなく三万円も取られることはまずないと思いますね、アメリカで普通の人がいったらまず黙って300ドルは取られると思いますが、薬貰ったらさらに、っていう金なんだと思いますんでそういった意味では日本の社会保障っていうのはかなりうまくいってる方なんだと思っておりますんで、あの~今のようにすべての個人対して最低限の所得を全部一律に無条件で与えるいわゆるベーシックインカムって言われる話ですけれどもこれを導入するにあたっては、これらの制度を全部辞めてそれに変えろ、という風に関しては少々慎重に対応せんといかんと思っております。

麻生さん

ここにもあるように、確かに

「難病、奇病等々、持って産まれた病気等々、特に配慮すべき持病があるかどうかといった、あのーそれぞれ各人が持っておられる個別な事情っていうのに対応できるというそれを踏まえた上で自助控除共助というのを適切に組み合わせて対応していくって言うのがこれは日本の基本的な考えでこれまでやってきた」

これは大変救われている方が多いかと思います。

国民すべてに一律例えば仮に「月10万円(一般的な議論よりも少し多め)」支給されるとして、当然すべての社会保障制度は廃止となるわけですから(廃止にしなければベーシックインカムではなくなる)これらの持って産まれた病気等々配慮すべき特別な理由のある方を切り捨てる制度であるとは言えないでしょうか?

格差拡大は止められない

トマ・ピケティ「21世紀の資本」のキーワードでもお馴染み。

「r(資本収益率)>g(経済成長率)」が資本主義の基本構図になっています。

rを持たない者、rの意味を学習する機会を与えられなかった者は、貧困へ、rを持つ者、rの意味に関して深い教育を受ける機会を与えられた者との間で格差が広がっていくことは必然であると考えられます。

そして事実世界はそうなっています。

例えベーシックインカムを導入したとしても、ベーシックインカムの支給額は当然rではありませんから、格差はなくなりません。

となれば、これは資本主義によって広がる格差のいわばダクトテープの制度とも言えるのではないでしょうか。

ベーシックインカムはむしろ富裕層に有利で貧困層に不利?!

ここでいう貧困層とは先述の「rを持たない者、rの意味を学習する機会を与えられなかった者」としましょう。

一見して、貧困層に有利な制度にも見えますが、本当にそうでしょうか?

富裕層の思考回路を想像してみましょう。

富裕層の割合

とある調査によると日本にいる「富裕層(純金融資産1億円以上)」は118万3000世帯、「超富裕層(純金融資産5億円以上)」は8万4000世帯で、合計すると126万7000世帯。

これを割合にすると、日本の全世帯数の約2%が「富裕層」「超富裕層」という結果に。

富裕層の本音としては、何人かに月10万円ずつ配るだけで様々な税金がなくなるのであればそれほど嬉しいことはない!

という思考回路が見えないでしょうか?

純金融資産5億円以上の超富裕層からすると、「相続税がなくなるのであれば、何人かに月10万円ずつくらい喜んであげる!」

という方もいらっしゃるかもしれません。

となると、ベーシックインカムは富裕層にとっては、むしろ得を見出せるシステムとなり、貧困層からすると、事故にあったり、何かに躓いてしまったりした際のセーフティーネットがなくなるという結果に陥ります。

ベーシックインカムがセーフティーネットになっているじゃないか?!

と思うかもしれませんが、もしも事故で失明したり、ガンで長期の入院が必要になったり、要介護状態(ベーシックインカムでは当然介護保険制度もなくなります)になったりしたときに、麻生さんのおっしゃる難病、奇病等々、持って産まれた病気等々、特に配慮すべき持病などのケースでは貧困層は特別困るケースも出てくるんじゃないか?

と思うわけです。

無条件ですべての国民に一律給付ですから、産まれた時から毎月固定で医療費のかかる病気にかかっている人からすると、不平等に感じることがあるかと思います。

もちろんそういった持病のある方が貧困家庭(「rを持たない者、rの意味を学習する機会を与えられない者」)に産まれた場合、やはり不平等のダブルパンチとはならないでしょうか。

ここを埋めるカギは教育に在り?!

ベーシックインカムの制度の中で「rを持たない者、rの意味を学習する機会を与えられなかった者」を貧困層とするのであれば、rの持ち方、rの意味を深く学習する機会をすべての人に与えることができれば、このダクトテープはより頑丈なものとなり、いずれは固まって本当の意味での格差の底固めに繋がるのかもしれません。

日本では2022年度からの新しい高校の新学習指導要領では、家計管理などを教える家庭科の授業で「資産形成」の視点に触れるよう規定したそうです。

家庭科の先生が裁縫や調理実習に加え、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴を教えることになると言われています。

さて、ユダヤ人家庭の教育にもあるように、富裕層は産まれた時からrの持ち方、rの意味についての教育を深く受けています。

【あなたは真似できますか?】ユダヤ人のスパルタ幼児教育エピソード

【タルムード考察】きつねとブドウ園の話

新学習指導要領で家庭科の先生が・・・というあたり、ストレートに申しますと、まともな金融教育が受けられるとは思えません。

インターネット時代ですから、情報は開かれています。

情報の取捨選択能力さえあれば金融リテラシーは個人でいくらでも上げていける時代となっています。

そしてベーシックインカムについてのあえて反対意見である当記事をここまで読んでくださった方はおそらく「rを持つ者か、rの意味に関して深い教育を受ける機会を与えられた者」である可能性が高いわけです。

ベーシックインカムを広めてベーシックインカムの恩恵を最大限社会が受け取るためには、同時に金融リテラシーを上げるための教育も広く普及していくアプローチが必要なのではないでしょうか。

現在のままベーシックインカムのメリットのみにスポットライトを当て続けるとベーシックインカム自体がペラペラのダクトテープになってしまわないか心配です。

ベーシックインカムに関してはこちらの書籍から考えるきっかけをいただきました。

最後に・・・

仮にベーシックインカムが採用されたとして、すべての社会保障が廃止になったとすると、やはり、ベーシックインカムの支給が不要な世帯が「難病、奇病等々、持って産まれた病気等々、特に配慮すべき持病がある方」に向けて自主的に支援できるようなシステムがあれば。。。と思います。

個人的な想いですが、日本人のDNA上、それが可能だと信じたい。

良いか悪いかは置いておいてその昔、村単位で形成されていた日本の社会では、良いことも悪いことも助け合い、背負いあいの精神にあふれていたことと思います。

「お前のモノ(悪いモノも含めて)は俺のモノ」まさにドラえもんに登場するジャイアンの精神ですね。

今でも沖縄地方では、模合の制度が生きていると言われています。

模合

複数の個人や法人がグループを組織して一定額の金銭を払い込み、定期的に1人ずつ順番に金銭の給付を受け取る金融の一形態。

本土における頼母子講・無尽講に相当する相互扶助システム。

地域によっては沖縄だけではなくて残っているエリアもあるかもしれません。

世帯年収1500万の家庭がベーシックインカムでさらに年収が+480万になったとして(月10万円の4人家族と仮定)、もちろん任意ですが、「一部を扶助システムに贈ります」ということができれば、社会福祉を自然発生的に維持しつつ、ベーシックインカムのメリットだけを享受できる素晴らしい社会になるかもしれません。

村全体で相互に監視しあって生きてきた日本人のDNAだからこその可能性とは言えないでしょうか。

みなさんの参考になれば幸いです。

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