Contents menu
※この記事は2020年6月13日に更新されました。
アルツハイマー型認知症の西洋医学的な化学薬剤としては、現在最も注目されている薬がバイオジェン社が開発を進めるアデュカヌマブです。
日本では2020年に承認申請を開始、2021年からの運用を目指して準備されています。
2019年の3月にはフェーズ3の試験段階で主要評価項目が達成される可能性が低いと判断され、試験を中止しましたが、その後の最終解析で、無益性解析とは異なる結果が得られたため、現在も開発が進められています。
【米国株】私がマリファナ株を全売却した理由 (サイト内記事)
アデュカヌマブのアプローチ

2025年には推定700万人がアルツハイマー型認知症を発症するとも言われており、日本は未だかつて人類が経験したことのない超少子高齢化社会に直面します。
介護職の人材不足も危惧されており、早急な対処が必要な分野ですが、未だ認知症の実態もほとんどの国民は知りませんし、どんな症状が出るのかさえ知らない人がほとんどです。
高齢者を支える若い人材は突然増えたりしません。
であれば、アルツハイマー型認知症の患者数を減らす方向で動いた方が社会の負担は少なくなるのではないでしょうか。
アルツハイマー型認知症は主に、アミロイドベータタンパク( アミロイドβタンパク質 )という特殊なタンパク質が脳に蓄積することで発症すると仮説が立てられています。
(かなり有力な説であり、 アミロイド仮説とも言われています)
現在のところ、なぜこのアミロイドβタンパク質が蓄積するのか?についての原因は分かっていません。
蓄積する原因が分からないのであれば、このアミロイドβタンパク質を破壊してしまおうというのがアデュカヌマブの開発アプローチです。
しかし現在のところ、アルツハイマー型認知症の症状が現れた段階では、認知機能への有効を示すことができていないのが現状です。
症状が発現した段階では、アミロイドβタンパクの蓄積が始まってからすでに15~20年経過していると考えられており、老人班も出現し、神経細胞が失われてしまっていると考えられています。
現在は早期のアルツハイマー病患者を対象とした臨床試験が行われています。
バイオジェン社長のコメント
「いったん治験を終了させられた早期アルツハイマー病患者さんに、結果的に高用量で効果があることがわかったメリットを供与したい。これまでの試験参加者全員にグローバルで声掛けする」
高用量で効果がある根拠が開示されていませんので、未然に蓄積を防ぐ未来のアルツハイマー型認知症予防薬となるでしょうか。
マリファナのアプローチ

医療大麻のアルツハイマー型認知症への研究は随分前から行われていましたが、一時的な大麻排除の歴史もあり、研究は中断されていました。
現在グリーンラッシュの影響もあり、研究は再開されています。
アルツハイマー型認知症へ有用とされるカンナビノイド
- CBD
- THC
- CBG
- CBC
- CBGA
- CBCA
- THCA
- CBDA
これらの組み合わせが研究されています。
こちらは臨床試験ではありませんが、CBDとTHCを1:1で配合した医療大麻が劇的な改善効果があったという報告もあります。
アデュカヌマブでは中止となったすでに認知症状が現れた患者の状態は神経細胞の壊滅でニューロンが機能しなくなり、神経変性疾患となっている状態と考えられます。
その結果、記憶力の低下、注意力の低下、失語、見当識障害など様々な症状が現れます。
カンナビノイドは薬物を脳内に入れないようにブロックする機能である、血液脳関門を通過することができるため、脳内の神経細胞上にあるCB1,CB2,内因性カンナビノイドの生成、分解の酵素へ直接的に働きかけることができ、老化とともにすすむエンド・カンナビノイド・システムの機能低下から脳を守ることができると推測されています。
カンナビノイドに備わっている、恒常性(ホメオスタシス)効果によって、アポトーシスを働かせ、タウタンパクの凝縮と蓄積を防ぎ、オートファジーを活性化させると仮説されています。
ホメオスタシスとは・・・
生物および鉱物において、内部環境、現状を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のこと。 脳内にはこの恒常性が備わっているため、本来プログラムされた人類の細胞の構成を維持しようと働きます。
アポトーシスとは・・・
多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされます。
管理・調節された細胞の自殺プログラムです。
オートファジーとは・・・
細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するための仕組みの一つ(自食作用とも呼ばれる)
東京工業大の大隅良典栄誉教授がノーベル医学賞を受賞した研究です。
恒常性機能+オートファジー機能の活性化によって、ミクログリアを抗炎症化させることで、 すでに蓄積されたタウタンパクを自食させ、さらに血管の拡張や血流の流れを確保し、アルツハイマー型認知症の後退を期待するものです。
ミクログリアとは・・・
日本語では小膠細胞(ミクログリア)は、脳脊髄中に存在するグリア細胞の一種です。
中枢神経系における細胞の約5〜20%を占めていると考えられています。
アルツハイマー病モデルマウスや、アルツハイマー病患者の脳では、タウタンパクの蓄積後に発現する老人斑と言われる現象の周囲に、ミクログリアや単球、マクロファージの集積が認められています。
ミクログリアには可溶性オリゴマーや線維性アミロイドβタンパクが結合する多くの受容体が発現していますが、これらの発現レベルやアミロイドβタンパクの分解酵素やオートファジーがアルツハイマー病モデルマウスで低下し、それがアミロイドβタンパク蓄積の原因の一つであろうと考えられています。
【以下のリンクは各論文記事のページに移動します】
→Hickman, S.E., Allison, E.K., & El Khoury, J. (2008).
医療大麻が有利か・・・?

このように脳内でのアプローチを比較すると、すでに蓄積されたアルツハイマー型認知症の後退や治療には効果がないと一時は中止になったアデュカヌマブよりも、マリファナの方が人間に備わっている様々な機能を呼び起こし、アミロイドβタンパクの除去を行えるので優位性があるのではないでしょうか。
また、こちらも研究ではありませんが、実際に初期症状が現れたケースで改善し、ほとんど症状が現れなくなったというレポートもあります。
日本はもちろんですが、認知症の治療薬が開発されることは、世界中が待ち望んでいます。
2050年には世界で1億3200万人の人がかかるという推計もあるほど。
中国も一人っ子政策の影響で、日本を後追いで超少子高齢化社会がやってきます。
誰でも簡単に育てられて、副作用はTHCの精神作用のみ。
人類が昔からナチュラルメディスンとして恩恵を受けてきた大麻草が認知症の革命的特効薬として機能する時代は来るのでしょうか。
グリーンラッシュが始まってまだ数年。
研究データや論文や、レポートなど、これからどんどん増えてくると思われます。