【保存版:電気大全】バッテリー完全ガイド:電池の違いと選び方リポバまで徹底解説

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「電池の種類って色々あるけど、どれを選べばいいの?」 こんな疑問を持ったことはありませんか? 

電池は私たちの生活の中で欠かせない存在です。

スマートフォン、リモコン、おもちゃ、時計など、日々のあらゆる場面で使用されていることはもちろん、レコーダーやカメラなど様々な制作機材でも必要不可欠なアイテムであると言えます。

本記事では、電池の種類や特徴を深掘りし、ニッケル電池、アルカリ電池、マンガン電池の違いや選び方をわかりやすく解説。

また、バッテリーを長持ちさせる秘訣や制作やロケで注意するべき電池の取り扱いについて徹底解説していきますので、これを読めば、あなたも電池の達人になれるはず!

✨ こんな方におすすめです! ✨

  1. 1 バッテリー選びで迷ったり悩んだりしたことがある。
  2. 2 カメラやレコーダーなどを本格的に購入したのでこれを機にバッテリーのことを知っておきたい。
  3. 3 フル充電しているのにすぐなくなるのはなぜか気になる。
  4. 4 リポバッテリーってなに?
Profile

この記事を担当:こうたろう

1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイクREC技術を学び帰国
金田式DC録音のスタジオにて音響学を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験し、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、ピアニスト, 音響エンジニア, マルチメディアクリエーターとして活動中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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Profile

【さらなる専門家の監修】録音エンジニア:五島昭彦

学生時代に金田明彦氏に弟子入り。
ワンポイント録音の魅力に取り憑かれ、Panasonic半導体部門を経て、退職後金田式DC録音の専門スタジオ:タイムマシンレコードを設立。
ジャズは北欧系アーティストを中心に様々な美しい旋律を録音。
クラシック関係は国内外の様々なアーティストのレコーディングを担当しており、民族音楽にも精通。
現在は金田式DC録音のDSDレコーディングを中心にアコースティック楽器の収録を軸に活動中。
世界で唯一、金田明彦氏直系の弟子であり、金田明彦氏自らが手がけた金田式DC録音システムを使用している。

電池の基本知識

まずは電池の基礎知識を身に着けておきましょう。

電池には大きく分けて一次電池(使い切り)と二次電池(充電可能)の2種類があります。
昨今だとクリエーターは基本的には二次電池を使用することが多いのではないでしょうか?

本記事で扱う電池の種類は以下の通りです。

  • アルカリ電池(一次電池)
  • マンガン電池(一次電池)
  • ニッケル電池(二次電池)
  • リチウムポリマー電池(リポバッテリー)(二次電池)

リポバッテリーの特徴

リポバッテリー(リチウムポリマー電池)は、近年普及している高性能な二次電池の一種です。

スマートフォンやドローン、ラジコンカーなど、高密度エネルギーが必要なデバイスに使用されています。

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リポバッテリーの特徴、メリットデメリットをまとめてみます。

特性 詳細
メリット
  • 軽量かつ柔軟な形状で、薄型デバイスに最適
  • 高エネルギー密度を持ち、小型ながら強力な性能を発揮
  • 低い自己放電率で長期間未使用でも性能を維持
デメリット
  • 他の電池に比べ初期コストが高い
  • 過充電や過放電に弱く、適切な管理が必要
  • 充放電回数に制限があり、寿命が短い

当スタジオの音響顧問である五島昭彦氏も近年はすべてリポバッテリーに入れ替えて金田式DCレコーディングをしています。

各種電池の特徴まとめ

ここからは各電池の特徴をまとめていきますので、今のあなたの使い方に合っているかどうか?
しっかり見極めてみてください。

アルカリ電池:使い捨て電池の王道

アルカリ電池は、一次電池の中でも最も一般的に使用されているタイプです。

内部では亜鉛と二酸化マンガンの化学反応によって電力が供給されます。

特性 詳細
メリット
  • エネルギー密度が高く、長時間の使用が可能
  • 広範囲の用途に対応し、リモコンや時計など低電力デバイスで活躍
  • 入手のしやすさ:どこでも購入可能
デメリット
  • 使い切りで廃棄が必要で、環境負荷が高い
  • 高消費電力デバイスには不向きで寿命が短い

ご家庭で使うリモコンや時計、その他小物家電などはアルカリ電池でOKでしょう。

マンガン電池:コスト重視の選択肢

マンガン電池は、アルカリ電池よりも安価で、低消費電力のデバイス向けに適しています。

内部には亜鉛と二酸化マンガンが使用されており、構造はアルカリ電池に似ていますが、性能は低めとなっています。

特性 詳細
メリット
  • 低価格で経済的
  • 軽量で持ち運びが容易
デメリット
  • 寿命が短く、長時間使用には不向き
  • 放電が早く、長期保存に弱い

例えばどうしても動作確認だけしたいときや、何らかの通電チェックだけをしたいときにテスト用として導入するのがいいでしょう。

ニッケル電池:充電可能で高性能

ニッケル電池は二次電池(充電可能)で、ニッケル水素電池(NiMH)とニッケルカドミウム電池(NiCd)の2種類があります。

主に高消費電力のデバイスに適しています。

特性 詳細
メリット
  • 充電可能で繰り返し使用できるため、長期的に経済的
  • 高負荷対応でデジタルカメラや電動工具などに適している
  • 環境負荷が少ない(特にニッケル水素電池)
デメリット
  • 初期コストが高い
  • 自己放電が速い(特にニッケル水素電池)
  • メモリー効果による容量低下(特にニッケルカドミウム電池)

初期コストとしては充電器もセットで購入する必要があることがポイントになります。

例えばカメラのストロボなどアルカリ乾電池でまかなっていたら一回の撮影で確実にゼロになるでしょうから、ニッケル水素電池以外の選択肢はないと言えます。

モバイルバッテリーは?!

ここまで見てきてカメラやレコーダーなどクリエーターが使う機材ではモバイルバッテリーをベースとしています!という方も多いと思います。

モバイルバッテリーはクリエーターじゃなくても誰でも持っているほど現代の携帯電子機器の必需品となっていますよね。

ここからはその基本構造と種類について解説します。

  1. 電池セル
    • 内部にリチウムイオン電池やリチウムポリマー電池を搭載。
    • エネルギー密度が高く、小型ながら大容量を実現。
  2. 保護回路
    • 過充電、過放電、過電流、短絡を防ぐ役割を持つ。
  3. 入出力ポート
    • USB Type-A、USB Type-C、Micro USBなどが一般的。
  4. 外装
    • 耐久性を高めるためのプラスチックやアルミニウム素材で覆われている。

モバイルバッテリーの種類

モバイルバッテリーは以下の種類に分類されます。

  1. リチウムイオンバッテリー搭載型
    • 高エネルギー密度で、小型軽量。
    • 一般的な用途に適している。
  2. リチウムポリマーバッテリー搭載型
    • 柔軟性が高く、薄型デバイスに対応。
    • リチウムイオンよりも高価。
特性 リチウムイオン電池 リチウムポリマー電池
エネルギー密度 非常に高い 非常に高い
形状 円筒型または角型が多い 薄型で柔軟性のある形状が可能
重量 比較的軽量 さらに軽量
コスト 高価 さらに高価
耐久性 温度変化に敏感 より温度に敏感
用途 スマートフォン、電動工具、EV ドローン、薄型デバイス、ラジコンカー
自己放電率 低い 低い
安全性 保護回路が必須 保護回路が必須

選び方のポイント(容量の解説)

  • 用途に応じた容量 スマートフォンだけなら10,000mAhで十分。
  • ポートの種類と数 複数デバイスを同時に充電する場合は、ポート数が多いものを選ぶ。
  • 携帯性 重量やサイズも考慮する。
  • 信頼性のあるブランド 保護回路の品質が重要。

mAh(ミリアンペアアワー)について

mAh(ミリアンペアアワー)は、バッテリーや電池の容量を表す単位であり、バッテリーがどれだけの電力を供給できるかを示します。

これを正確に理解することで、バッテリーの性能を評価し、適切な選択をするための重要な指標となります。

1. mAhの意味と計算方法

  • mA(ミリアンペア)
    • 電流量を示す単位で、1ミリアンペアは0.001アンペア。
  • h(アワー)
    • 時間を示す単位で、1時間を表します。

例:
バッテリー容量が3000mAhの場合、この電池は3000mAの電流を1時間供給できる能力があるという意味です。
または、1000mAの電流を3時間供給することも可能と言い換えることもできます。

  • 電池容量(mAh) = 使用電流(mA) × 使用可能時間(h)

具体例

スマートフォンが500mAの電流を消費し、3000mAhのバッテリーを搭載している場合:
3000 ÷ 500 = 6時間使用可能という算段を立てることができます。

容量が大きいほど良いのか?

mAhが大きいほどバッテリーの容量が多く、一度の充電でより長時間使用できます。

ただし、容量が大きいバッテリーには以下のデメリットもあります。

  • 重量: 容量が増えるとバッテリーが重くなる。
  • コスト: 大容量バッテリーは高価。
  • 充電時間: 容量が大きいほど充電に時間がかかる。

特にロケの場合は、1gでも荷物を軽くするのは鉄則。

たった1gと馬鹿にしてはいけません。

海外ロケなどの場合は容量と重さ、また機材の総重量などをしっかり計算して立ち回る必要があります。

電圧とは?その重要性を徹底解説

電圧(Voltage)とは、電気を流す力を示す値で、単位はボルト(V)です。

電池の電圧は、デバイスが必要とするエネルギーを供給するうえで重要な役割を果たします。

  • 電池の電圧は、化学反応により生成されるエネルギーの量を示します。
  • 一般的な電池の電圧:
    • アルカリ電池:1.5V
    • マンガン電池:1.5V
    • ニッケル電池(NiMH, NiCd):1.2V
    • リチウムイオン電池:3.7V(標準値)
    • リチウムポリマー電池:3.7V(標準値)

リチウムイオンとリチウムポリマーの電圧は非常に高いことがわかりますよね。

電圧とデバイスの互換性

デバイスには特定の電圧範囲が必要です。

電圧が高すぎるとデバイスが故障する可能性があり、逆に低すぎると正常に動作しません。
これは充電する際にも基本的に関連してきます。

急速充電の仕組み

急速充電は、以下の2つの要素を調整することで実現します:

  1. 電圧の増加
    • 通常の充電電圧(5V)を上回る電圧(9V、12Vなど)を使用。
  2. 電流の増加
    • 高電流(通常は2A以上)を供給。

代表的な急速充電規格

  • USB Power Delivery(USB-PD):最大20Vまで対応可能。
  • Qualcomm Quick Charge(QC):5Vから12Vに調整可能。
  • その他独自規格(例:OnePlusのWarp Charge、OppoのVOOCなど)

急速充電の利点

  • 充電時間を大幅に短縮。
  • 忙しい生活スタイルに最適。

急速充電のデメリット

  • バッテリー寿命への影響:高電圧・高電流が電池の劣化を促進する可能性。
  • 発熱リスク:充電中の熱がバッテリーやデバイスに負担をかける。

電圧と電池の安全性

急速充電を安全に行うためには、デバイスとバッテリーの保護回路が不可欠です。これにより、過電圧や過電流による故障や発火を防ぎます。

電力(W)と電圧(V)、電流(A)の関係式

昨今はスマホのアダプターなどに60Wや120WなどVではなくWで書かれていますが、じゃあWとはなんなのか?
ここまで頑張ったんだから把握しておきましょう。

  • W = V × A
  • 電圧が 12V で電流が 5A の充電器は、
    12V × 5A = 60W の電力を供給します。
  • 一方、電圧が 20V で電流が 6A の充電器は、
    20V × 6A = 120W の電力を供給します。
電圧 (V) 電流 (A) 電力 (W) 特徴
5V 2A 10W 標準的な充電速度。多くのスマートフォンに対応。
9V 2A 18W Qualcomm Quick ChargeやUSB-PDの基本。
12V 3A 36W ミドルレンジ急速充電。タブレットなどに適する。
15V 3A 45W ノートパソコンの充電にも利用可能。
20V 5A 100W 高出力。ゲーミングノートPCやハイエンドデバイス用。
20V 6A 120W 超急速充電。対応デバイスは限られるが圧倒的な充電速度。

W(ワット)とは

  • W(ワット)は 電力 を表し、「1秒間に供給されるエネルギー量」を示します。
  • 高いW数ほど、短時間で多くのエネルギーを供給できるため、充電時間が短縮されます。

電圧と電力の違い

  1. 電圧(V):電気を流す力。高いほど、電力を効率よく送り込むことが可能。
  2. 電力(W):電圧(V)と電流(A)の組み合わせで、どれだけエネルギーを供給できるかを示す。
  3. 電流(A):電気の流れる量。流量が多いほど、短時間でエネルギーを送り込める。

充電器のW数が異なる理由

高W数(60W、120Wなど)の充電器のメリット

  1. 急速充電を可能にする
    • 高いW数の充電器は、短時間で多くのエネルギーを供給できます。
    • 例:120Wの充電器は、60Wの充電器の約2倍の速度で充電可能。
  2. 大容量バッテリー対応
    • ノートパソコンやタブレットなど、バッテリー容量の大きなデバイスにも対応。

デバイスごとに最適なW数が異なる理由

  • スマートフォンやノートパソコンには、それぞれ対応する最大W数が設定されています。

例えば・・・

急速充電アダプターを購入する際に、早い方がいいと思って高額な120Wを購入してもデバイスそのものがそのW数の受け入れに対応していなければ意味がないというわけなんです。

例えば、あるスマホが30Wまでしか対応していない場合、60Wの充電器を使用しても30Wで充電されます。

バッテリー長持ちの7つの秘訣!

以下の方法を実践することで、バッテリーの寿命を最大限延ばすことができます。

  1. 部分充電を心がける
    • 0%から100%までフル充電を繰り返すとバッテリーの劣化が早まります。20%〜80%の範囲での充電が最適です。
  2. 高温環境を避ける
    • 高温はバッテリー劣化の主な原因です。特に充電中は直射日光や熱い場所を避けましょう。
  3. バッテリーを完全に使い切らない
    • 完全に放電するのはバッテリーに大きな負担をかけます。早めに充電を開始する習慣をつけましょう。
  4. 長期間使用しない場合の保管方法
    • 50%程度充電した状態で、涼しく乾燥した場所に保管してください。定期的に充電状態を確認することも大切です。
  5. 急速充電の頻度を制限する
    • 急速充電は便利ですが、頻繁に使用するとバッテリー寿命を縮める可能性があります。通常充電を主体に使用しましょう。
  6. 純正アクセサリーを使用する
    • 純正または信頼性の高いメーカーの充電器やケーブルを使用することで、不具合や過電流のリスクを軽減できます。
  7. アプリや設定を見直す
    • 不要なアプリを終了したり、バックグラウンドで動作している消費電力の高いアプリを管理することで、バッテリー負荷を減らせます。

スマホの場合は7がかなり重要になってきます。
基本的に有線イヤホンなのに、常にBluetoothがオンになっていたり、位置情報(GPS)がオンになっていたり。

GPS機能は地図を見るとき以外役に立つことはありません。

地図アプリやカーナビ使用の時以外はオフにしておきましょう。
かなりバッテリーを喰います。

豆知識:冬のロケでは・・・

また、冬のロケの場合、バッテリーを保温することが非常に重要になります。

特にフィールドレコーディングを行う方や、フォトグラファーの方は、冬のロケなどを行うこともあるかと思います。

そんな時、充電は前日にばっちりしておいたのに、いざ使おうと思うと、空だったりしたことはありませんか?

筆者もそんな苦い経験から、冬のロケでは必ずカイロを用意するようにしています。

というよりもカイロなりなんらかの保温設備は必須であると言えます。

モバイルカイロ

最近だとモバイルバッテリーと兼用できるデジタルカイロも売っていたりします。
こちらもロケの場合重さなどをしっかり考慮して装備を選択するようにしていきましょう。

電池の種類 低温時の影響 注意点
リチウムイオン電池 電解液の粘度が高くなり、イオン移動が遅くなるため、出力が低下。 保温して使用する。使用後は室温に戻してから充電する。
リチウムポリマー電池 リチウムイオン電池と同様に出力が低下しやすい。 薄型デバイスでは特に保温対策が重要。
ニッケル水素電池 リチウム電池より低温に強いが、持続時間は短くなる。 低温環境では予備の電池を用意する。
アルカリ電池 低温に非常に弱く、電圧が急激に低下。 極端な低温では使用を避けるか、暖かい場所で保管。

電池の性能を最大限引き出し、長期間安全に使用するためには、適切な取り扱いと日常的なケアが重要です。

本記事で紹介した知識や豆知識を活用し、バッテリーの寿命を延ばすと同時に、安全で快適なデバイスの使用を楽しんでください!