スタジオジャーナル第8回 『リクエストはできるだけ爆速で作業したいスタジオ』手前味噌ですが・・・

こんにちは!

スタジオジャーナルシリーズ、こうたろうです。

みなさんは好きな日本語ってありますか?

筆者は「手前味噌ですが」という言葉が結構好きだったりします。

日本語を学ぶ非日本語圏の人に「どういう意味ですか?」と質問されたら説明困ってしまいますよね。

ちなみにスペイン語圏の人で日本語を学んでいる方は当サイトの日本語学習コンテンツを紹介してあげてください!

Desafío de aprender japonés 100 días !! : Día 1 [Saludo básico](サイト内記事)

元々は「手前どもの創った味噌なんですが・・・」と、自慢したいけど、「どうだ!すごいだろう!」とは民族性もあって言えないので、味噌という日本人の生活に欠かせない重要なアイテムを差し上げる代わりに味わってみて、そして「自動的に自慢になっちゃうので。。。ねぇ。。。」というニュアンスが含まれています。

『僕ね、編集作業はめっちゃくちゃ早いんです。』

というと、『ふーん』と完全なる自慢話で終わりそうなものを

『手前味噌ですけど、僕は編集作業だけはめっちゃくちゃ早いです。』

なんて少し言い方を変えると、角が立たなくなる。

重要なのは謙遜とはニュアンスが違うという点です。
この辺りも日本語の解説としては非常に難しいでよね。。。

 

『うん、手前味噌なら仕方ないな〜・・・文句のつけようがないわい・・・』というニュアンスでしょうか。

そんなつけるだけで随分柔らかくなる言葉のデュフューザーやソフトボックスのような感じ・・・

ここが好きな理由の一つです。

NiceFoto LEDΦ90cm ソフトボックス レビュー&テスト(サイト内記事)

これは実際に味噌を作ったことのある方ならわかると思いますが、味噌作りっていうのはやり方が人の数だけあるといってもいいほどたくさんあります。

そして各家庭でこだわりもありますし、なにより最も重要なのがその家庭に住み着いている菌。

醤油作りや酒作りでも言われていることだと思います。

その蔵に代々伝わり、眠っている菌が味を左右する。

だから同じ工程、同じ材料で作っても蔵ごとに味が違うんです。

逆にどんな材料を使っても工程を多少間違えても菌が育ててくれるのでその蔵の味がわずかでもちゃんと感じられると言われています。

味噌もその家に住み着く菌の味がつくわけです。

例えば味噌作りのグループ体験で発酵状態まで持っていたあとに各家庭で保管していると、それぞれ違う味に変わるわけです。

ここから、各家庭の自慢の味「手前どもの味噌」が誕生するんですね。

もちろん現在では衛生面の視点から、使う菌は完全に管理、コントロールされているかと思われます。

うーーーん最近は個人的には菌が当たって爆発力満点の上手い味噌よりも、衛生管理されたそこそこうまい味噌の方が安心。。。

みなさんはいかがですか?

リクエスト文化の推移

さて、前回の記事で432hzピアノ企画でリクエストスタートしました!

とアナウンスしました。

スタジオジャーナル第7回 『432hzピアノ企画』リクエスト受付開始!(サイト内記事)

これは曲を指定してリクエストをいただけるようになったためですが、初めていただいたリクエストはその日のうちにアップ。

手前味噌ですが、スタジオの作業は爆速です。

演奏しているピアニストの大長志野さんも爆速です。

リクエストの連絡を連絡リストに追加して数時間後には編集前フォルダに完成データが入っていました。

ちなみにKotaro StudioではDropboxで作業を共有しています。

 

このスピード感は昭和の現場ピアニストの名残があるんじゃないかと感じたのもあり、リクエスト文化の推移をみてみたいと思います。

昭和のリクエストは秒速!?『考える前に指が動く』

昭和文化でのリクエストというと、生演奏のお店でリクエストをもらってもちろん曲を予習する時間もなければ構成を考える時間はありませんでした。

イントロを出しながら全体の流れを構成していく。

どうやってアレンジを展開してどうやって終わるのか、イントロが始まった段階では誰も知りませんでした。

ピアノソロの場合はフリーのイントロを長めにとってその間に考える。

楽譜付きでリクエストをもらった場合は、イントロでポロポロ弾いている間にさっと譜読みをする。

譜読みをしながら総演奏時間を予測してオープニングのテンポを決める。

なんとも体育会系の現場が昭和にはあったんですね。

筆者の知っている昭和のピアニスト(かなりご年配)の方の中でメモリーされている楽曲は約3000〜4000曲という方もいらっしゃいました。

この3000曲なら曲名を言った次の瞬間にイントロが始まり、何度やっても違う雰囲気でアレンジし完成させる。

まさに職人技ですね。

ちなみにその方から聞いた話ですが、3000曲程度保険で覚えているけど実際に現場でもらうリクエストはせいぜい200程度という話を聞いたことがあります。

知らない曲はどうするんですか?(Youtubeなどもちろんない時代)と聞いたことがあります。

その場合はどうすると思いますか?

昭和の職人ピアニストはなんと、『お客さんに出だしを歌ってもらう』んだそうです。

それで半ば強引にそれっぽく作曲しちゃう・・・

一種の特殊スキルですよね。

リクエスト文化はデジタル化へ

生演奏のお店は年々減少し、ライブハウスも少なくなってきました。

追い討ちをかけるように2019年末から始まった全世界パンデミックの影響で世界規模でライブハウスやコンサート会場が封鎖、その中でも閉店を余儀なくされたお店もおそらく数え切れないほどあることでしょう。

パンデミック以前からお店などでも演奏家を雇うお店は減少して行っていました。

そのため『リクエスト』という言葉自体があまり社会に馴染みがなくなってきているのかもしれません。

ジャズ喫茶に行って好きな曲リクエストするよりも、スポティファイの方が早いし、ノリノリで聞ける!!

ノリノリで鼻歌混じりに聞けるというのは結構重要で例えば昔のジャズ喫茶(メニューは基本コーヒーのみでジャズの生演奏ではなくレコードが聴けるお店〜到底個人では集められないレベルの枚数のレコードを所持していることが多い)なんかは、『恥ずかしい』のと、『他のお客さんに迷惑にならないように』とが合わさってコーヒーを見つめながらタバコに火をつけてこの世の終わりのような姿で下を向いて静かに聞くのが暗黙のルールと化していました。

パンデミックがおさまったあともおそらくマスクの使用率は維持されたままだと思いますし、今後数年は衛生面に関して引き続きピリピリした雰囲気は継続していくものと考えられますし、ソバーキュリアスという言葉が流行っているようにお酒自体を飲む人が減っている、場所も減っているということもあり、音楽を生で演奏家にリクエストする時代は終了したと考えていいと思います。

現代だとシュチュエーションや時間、ボリュームなどの情報を入力すればコンピューターが自動でミックスしてくれますので、コスト的にもお店がミュージシャンを雇うメリットはなくなったと言えます。

リクエストはできるだけ高速に・・・

リクエストはできるだけ高速に・・・

というのが現場経験のある音響とピアニストで運営している432hzピアノのチームではDNAレベルで染み付いており、いただいた数時間後にアップできたわけですが、この速度では編集も含めて考えると続かないのでもう少しゆっくりなペースで長く続けていけるような体制を整えたいと思っております。

とはいえ何週間もお待たせすることのないように全力で仕上げていきたいと思いますのでお気軽にリクエストお寄せくださいね。

というわけで本日は昭和のリクエスト文化の推移と、手前味噌ですが当スタジオは爆速で作業していきます!

というお話でした。

この記事を書いた人

こうたろう

元ピアニストでフォトグラファー&サウンドデザイナー
ミュージシャンだった父の音楽スタジオと、モデルだった母の仕事場であるフォトスタジオの現像ルームが子供時代の遊び場という恵まれた環境で育つ。
音楽大学を卒業後ピアニストとして活動を開始。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてヨーテポリを拠点に活動するシンガーアーティストLindha Kallerdahlとセッションを重ね声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後単身ドイツ・ケルンへ渡独。
ドイツから帰国後ピアノソロ作品アルバムと共に同時リリース。
金田式電流伝送DC録音の第一人者である五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、活動を開始。
独立後、音楽プロデューサーとして音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックを中心としたアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
現在は元ピアニストの経験を生かしたミュージシャンのライブフォトを得意としながら、肖像写真、動物写真、自然写真を中心にミュージックビデオの制作などオーディオ技術も得意とするフォトグラファーとして活動中。