スタジオジャーナル第5回 『2021年版』今年公開される気になる映画ベスト3 + 番外編

突然ですが、みなさんが最後に映画館で映画を見たのはいつですか?

アマプラやネトフリなんかが普及して、昔に比べると低予算でプロジェクターやホームシアターオーディオが組めるようになって、パンデミックの影響もあり、「そういえば映画館にいったのは随分前だな〜」と感じる方も多いのではないでしょうか。

パンデミックの最中、ドライブインシアターの復活も全世界でプチブームとなっていましたね。

筆者も映画は大好きで、気になる映画は見にいくなり、情報を追いかけるなりしているのですが、今年公開される映画の中で是非おさえておきたいな〜と感じている映画を3つ選んでみました。

DAU. ナターシャ

第70回ベルリン映画祭銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した本作。

映画公式サイト

ロシアの奇才イリヤ・フルジャノフスキーによる「ソ連全体主義」の社会を再現した前代未聞のプロジェクトとなっています。

公式の紹介で第一弾となっていますので、続編があるという意味でしょうか。

秘密研究都市にあるカフェで働くウェイトレス、ナターシャの目線から見たスクリーン上に完全再現されたソビエト。

謎多き今はなきソビエトの様子をうかがうことができます。

「セットに入る人は、監督も含め全員が常にその時代の衣装と化粧をしていなければ、入場を許可されませんでした。
研究所に長く滞在するキャストのために、衣装を選び、スーツケースに詰めて参加者に渡したので、彼らは自分で何を着るかを選ぶことができました。
喫煙者は自分の好きな種類のタバコを尋ねられ、自分の好みに合うようにタバコを巻いてもらいました。
スーツケース、財布、ペン、新聞など、研究所内に滞在していた期間中、すべての小道具と衣装が彼らの持ち物になったのです。
女性には口紅チューブとパウダーパフが提供されました」

共同監督であるエカテリーナ・エルテリ

この映画の見どころはなんといってもその再現力にあるかと思います。

もう誰も体験することができないソビエトの世界観を擬似体験できる今もっともソビエトに近いコンテンツと言えるのかもしれません。

本編映像も少し公開されていますが、なるほどかなり大規模にセットそのものが再現されていると思われます。

無指向性マイクもかなり効いており、シーン1つに対するマクロなシークエンスとミクロなシークエンスが見事に融合しているように感じます。

【音響の基礎】マイクロフォンの種類を知る(サイト内記事)

【おすすめマイクロフォン】 無指向性で勝負編(サイト内記事)

こういった手法は、最近流行りの1シーンごとに一つのブロックとして仕上げていくタイプの手法では味わえない臨場感がありますよね。

ソビエト出身の名監督:アンドレイタルコフスキーなんかはもっとマクロなシークエンスを大切に撮影されていましたが、何か通じるところがあるでしょうか。

知っておきたい偉大なる【映画監督 ランキング】(サイト内記事)

こんなご時世なのと、在宅介護が24時間あるためなんとか配信で見れる日がこないかと待ち侘びております。

トゥルーノース

6月4日に公開されたばかりの映画。

映画公式サイト

3D映画ドキュメンタリーとなっており、制作期間は10年という長い時間をかけて収容所生活を生き延びた人たちからの証言を元に再現されています。

世界にはまだまだあるこういった体制の国々。

その内情を知ることは許されません。

こういった閉ざされた扉をあけるドキュメンタリーは興味をそそられますよね。

復讐者たち

映画公式サイト

7月23日公開のナチス系の映画です。

1945年、敗戦直後のドイツ。
ホロコーストを生き延びたユダヤ人男性のマックスが難民キャンプに流れ着き、強制収容所で離ればなれになった妻子がナチスに殺された事実を知る。
絶望のどん底に突き落とされたマックスは復讐心を煮えたぎらせ、ナチスの残党を密かに処刑しているユダヤ旅団の兵士ミハイルと行動を共にすることに。
そんなマックスの前に現れた別のユダヤ人組織ナカムは、ユダヤ旅団よりもはるかに過激な報復活動を行っていた。
ナカムを危険視する恩人のミハイルに協力する形でナカムの隠れ家に潜入したマックスは、彼らが準備を進める“プランA”という復讐計画の全容を突き止める。
それはドイツの民間人600万人を標的にした恐るべき大量虐殺計画だった……。

公式サイトより

公式サイトの方には監督の言葉なども掲載されていますが、この時代、この場所では本当にいろいろなことが起こっていました。

ちなみに映画「ヒトラー最期の12日間」の元にもなっているベルリン陥落ではドイツの終戦までの記録が克明に記されています。

こちらのベルリン陥落は大変貴重な歴史資料となっています。

学校の世界史では学べない内容ばかりになっているので歴史を知りたい方は是非チェックしてみてください。

番外編:スパイラル:ブック・オブ・ソウ

さて、こちら番外編は来年か再来年くらいにアマプラなんかで上がっていたら嬉しいな〜くらいの映画なんですが、ソウシリーズの最新作です。

ソウシリーズってグロ映画の定番として語られることもあるグロい描写の多い映画ですが、実は単なるグロ映画ではなくて、「生きるとは・・・」を結構真剣に考えられた作品になっていたのです。

過去形なのは、やはり1、2、3辺りまではかなり練り込まれた作品でしたが、6、7あたりになってくるとお話も無理矢理つなげた感満載でグロ映画として期待されていることを惜しみなく投入してくるという感じで、シリーズを重ねるごとに単なるグロ映画感の色が濃くなっていっているように個人的には感じるからです。

ただし間違いなく5、6、あたりは重要なシリーズとなっていて、ジグソウの思想を受け継いだ犯罪者と、受け継がなかった犯罪者=ホフマンの行動や仕掛けの違いなどが顕著に描写されていますのでジグソウの思想がより強いコントラスが出ているように感じます。

こちらの2021年最新作もレガシー同様、ジグソウほぼ関係ないお話になってくるかと思いますがどうやってジグソウの思想を展開していくのかが見どころなのではないでしょうか。

個人的にはシリーズずっと見てきているので見れたら嬉しいな〜レベルなので番外編としました。

やはりナターシャやトゥルーノースなど閉ざされた世界、一般的には日常で見ることができない、知ることが許されない世界が開かれた作品が注目を集めているのかもしれません。

みなさんの気になる映画は見つかりましたか?

この記事を書いた人

こうたろう

元ピアニストでフォトグラファー&サウンドデザイナー
ミュージシャンだった父の音楽スタジオと、モデルだった母の仕事場であるフォトスタジオの現像ルームが子供時代の遊び場という恵まれた環境で育つ。
音楽大学を卒業後ピアニストとして活動を開始。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてヨーテポリを拠点に活動するシンガーアーティストLindha Kallerdahlとセッションを重ね声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後単身ドイツ・ケルンへ渡独。
ドイツから帰国後ピアノソロ作品アルバムと共に同時リリース。
金田式電流伝送DC録音の第一人者である五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、活動を開始。
独立後、音楽プロデューサーとして音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックを中心としたアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
現在は元ピアニストの経験を生かしたミュージシャンのライブフォトを得意としながら、肖像写真、動物写真、自然写真を中心にミュージックビデオの制作などオーディオ技術も得意とするフォトグラファーとして活動中。