スタジオジャーナル第4回 『資本主義に生きる芸術家』音大生&音大志望必読!?

できれば毎日更新したいスタジオジャーナルですが、今更新中の「Desafío de aprender japonés 100 días !」(日本語学習コンテンツ)の制作が一段落すれば毎日更新も可能になるかも・・・もう一踏ん張りです。

そんなヘビーな作業の休憩がてらコラム「スタジオジャーナル」を更新です!

ちなみに当サイトではスペイン語100日チャレンジも用意してますので是非トライしてみてくださいね!

スペイン語を学ぶべき3つの理由(サイト内記事)

さて、第4回は資本主義に生きる芸術家と題して、お金のお話に少し触れていきたいと思います。

音大生や音大志望の方は参考になる内容があるかと思いますので是非最後まで読んでみてくださいね。

芸術家はお金の勉強をするべき?!

さて、日本も着々と資本主義化していっているのを肌で感じている昭和生まれの方も多いのではないでしょうか?

ベーシックインカムの議論がささやかれはじめているのもいい例なのかもしれませんね。

かつてソ連のゴルバチョフ書記長が日本を訪れた時に次のような言葉を述べたそうです。

「日本は世界で最も成功した社会主義国だ!」

最近驚いたことといえば、全国民一律給付金の際に、役所に問い合わせをした時、電話で少し待たされていると電話口に出た担当の公務員の方が筆者のことを「お客様〜」と呼びかけておられました。

時代はもちろん移り変わっていくものですが、昭和時代にはそんな時代が来るなんて誰が思ったことでしょうか。

筆者は介護の関係で年に何度か役所にいかなければいけない用事があるのですが、その際も本当に丁寧です。

重鎮のような公務員の方もいろいろと言葉を選びながら、一度考えてから発言しているように思える場面もしばしば・・・

昭和時代の公務員の方といえば、本当に横柄な態度を取る方ばかりだったような記憶があります。

それだけ日本もグローバル化、そして資本主義化していっているということでしょうか。

日本人はまだ資本主義に慣れていない?

ザ・資本主義のアメリカなどでは資本主義やお金に関する教育は徹底されており、また、10歳やそこらの少年少女たちが会社の株式を保有しているほどです。

学校では教えてくれない株式市場の6つの真実(サイト内記事)

日本で小学4年生が誕生日にAppleの株を欲しがるでしょうか?

おそらくipadを欲しがりますよね?

まあそれが教育上いいか悪いかは教育者の方々で議論していただくとして、それだけ日本ではまだお金の教育、そして資本主義に馴染めていないですし、資本主義が何か?もかなり自主的に勉強しないと理解できない社会なのではないでしょうか?

芸術家然りです。

日本の芸術家はお金に疎い人が本当に多いイメージがあります。

筆者が学生の頃はまだ「アートはお金じゃないんだよ〜」なんて言ってるおじさんも結構いました。

何を隠そうその当時「そうですよね〜」なんて言ってるのが筆者でした。

創作活動にはお金が必要です。

「アートはお金じゃないんだよ〜」という人の価値観を否定すること自体が非芸術的な価値観になってしまいますし、それ自体を否定するつもりはありません。

がしかし、創作活動にはお金が必要です。

これは価値観ではなく事実でしょう。

マイクがなければ録音はできませんし、カメラやレンズがなければ写真は撮れませんし、画材がなければ絵も描けませんし、そこそこのスペックのコンピューターがなければみなさんにみてもらうこともできません。

例え「完全透明な銅像」や、芸術家が生み出した「空気」や人間から出る「有機物で造形されたアート」を作るのだって莫大な製作費がかかります。

そりゃみんなハイドンみたいな活動がしたい?!

ハイドンはエステルハージ家にほとんど一生涯仕えて、宮殿の中でエステルハージ家のためにだけ音楽を書き続けていました。

ヨーゼフ・ハイドン (Franz Joseph Haydn)(サイト内記事)

エステルハージ家 (ハイドン関連)(サイト内記事)

政治情勢が変わって、エステルハージ家を出ることになった後もエステルハージから年金を受給していたほどです。

ハイドンこそ、現在にも続く「パトロンで芸術をやりましょう像」の典型例といえます。

「アートはお金じゃないんだよ〜」と言える人は、

  • かなり太いパトロンが付いている。
  • 実家が誰かのパトロンになれる程度の資産家。
  • 日本語でいうところのタニマチさんが付いている。(作品の売り上げなども)

この3点に該当する方だと思います。

ただ芸術家の中でもこの3点に該当しない方、且つ資本主義の世界で創作活動をしたい場合はもれなく自分自身がこの3点の存在になって自分自身を支えていかなければ資本主義の世界で芸術家として生き残れないといえないでしょうか?

ハイドンの存在が後の「芸術家は創作活動に専念し、制作費は資産家が出す」という幻想が語り継がれるきっかけとなったと言えるかもしれません。

しかし、西洋音楽史はじめ、多くの歴史上の芸術家はお金に無頓着が故に苦労してきましたし、製作費があれば、よりたくさんの創作物を残していたかもしれません。

あるいは潤沢な製作費があれば何も生まれなかったかもしれませんが・・・

西洋音楽史といえばあのモーツァルトも父レオポルトが死んでからは誰も彼の金銭管理をしなくなったため、莫大な借金を抱えていたと言われています。

【西洋音楽史の考察】モーツァルトの死後、一番儲けたのは誰なのか?!(サイト内記事)

【大胆仮説】モーツァルトは一人じゃない!?(サイト内記事)

音大生は要注意!?

というわけで創作活動にはお金が必要、そしてその制作費用は

  • かなり太いパトロンが付いている。
  • 実家が誰かのパトロンになれる程度の資産家。
  • 日本語でいうところのタニマチさんが付いている。(作品の売り上げなども)

この3種類から捻出する・・・というのが、いつの時代も芸術家の定番活動スタイルとなります。

現代で資本主義の世界で創作活動をしたい場合はもれなく自分自身がこの3点の存在になる必要があると述べました。

この3種類は常に他者から自分へ向いているという呪縛から抜けられないのが、マネーの教育を受けていない芸術家。

特にこの呪縛に囚われてしまった音大生や美大生はマルチなどの格好のターゲットとされています。

こういう創作系の大学や専門学校に入るとおそらく一度は声をかけられたことはあるのではないでしょうか・・・マルチのお誘いです。

そして定番の「副業系」のお誘いです。

謳い文句は決まって「これで自分の自由に創作活動に専念できるようになるよ!」です。

はい。

なりません。

芸術家にとって制作費の捻出は基本的に先述の3種類しか方法はありません。

マルチなどに手を出すと、タニマチさん(ファン)や実家の資産、太いパトロンの3種類はもれなく一斉に逃げていきますよ。

ここは騙されないように、感受性豊かな大切な時期に時間とお金を無駄にしないようにしましょう。

お金のコラムを発信しています。

というわけで当スタジオでは、「資本主義で活動する芸術家はお金の勉強をするべきである!」という考えのもと、お金に関するコラムも積極的に発信しています。

もちろん異なる考えを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、仮に「10億あげるから自由に創作活動したらいいよ!」と10億もらえるようなことがあったとします。

もちろん筆者は喜んで頂戴します。

しかし、その創作物が「投資」になるのか、「単なる表現」なのか?それとも自己満足の世界観なのか?

制作する際には選ばないといけません。

そしてそもそも資本主義以外の主義思想での創作ではこの3つを選ぶことさえできませんよね。

10億あったらほとんどの人は「単なる表現」や「自己満足」の制作も選択できます。

しかし、10億を20億にする術を持っている、はたまた10億を100億にする術を持っていると、「投資用創作物」「単なる表現」「壮大な自己満足」の3つを惜しみなく選択し、制作できるといえます。

自己満足でハリウッドのスタジオだって借りられますよね。

自己満足でスターウォーズの版権を買い取って続編を作ることもできるかもしれませんよね!

実際キング・オブ・ポップ:マイケルジャクソンは投資用素材として(もしくは自己満足だったのかその狭間だったのかはわかりません)、ビートルズの曲の版権を買い取って作品制作をしていましたよね!

どんな規模であったとしてもこの資本主義のシステムの元で芸術家として活動するのであればシステムを理解して、知ること。

それが大事なんじゃないでしょうか。

経済の入門にぴったりの筆者が尊敬するレイダリオ氏の監修した経済の仕組みを解説しているプレゼンテーションをシェアして締めくくりたいと思います。

この記事を書いた人

こうたろう

元ピアニストでフォトグラファー&サウンドデザイナー
ミュージシャンだった父の音楽スタジオと、モデルだった母の仕事場であるフォトスタジオの現像ルームが子供時代の遊び場という恵まれた環境で育つ。
音楽大学を卒業後ピアニストとして活動を開始。
自身のピアノトリオで活動後北欧スウェーデンにてヨーテポリを拠点に活動するシンガーアーティストLindha Kallerdahlとセッションを重ね声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後単身ドイツ・ケルンへ渡独。
ドイツから帰国後ピアノソロ作品アルバムと共に同時リリース。
金田式電流伝送DC録音の第一人者である五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入りし、活動を開始。
独立後、音楽プロデューサーとして音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現在はKotaro Studioに統合)」を立ち上げ、タンゴやクラシックを中心としたアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
現在は元ピアニストの経験を生かしたミュージシャンのライブフォトを得意としながら、肖像写真、動物写真、自然写真を中心にミュージックビデオの制作などオーディオ技術も得意とするフォトグラファーとして活動中。